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宜興北海、創業19周年記念式典開催

鏡板製造最大手の北海グループの中国製造拠点、宜興北海封頭有限公司(本社=江蘇省宜興市万石鎮、林俊夫董事長)は17日、創業19周年記念式典を開催した。北海グループの林泰俊代表ほか、グループ幹部らが出席。中国初の鏡板工場として高品質の製品を国内外に供給し、万石鎮が「中国鏡板の郷」と呼ばれるほど地域に貢献してきた。新たに設備を導入し、さらに付加価値の高い製品づくりを進め、企業の成長を図る方針だ。
宜興市トップの王中蘇書記、宗豪傑・万石鎮書記、陳偉能・万石鎮鎮長が式典前に宜興北海を訪れ、林代表、林董事長らと面談した。王書記は、「宜興北海は創業から紆余曲折があって今日まできたが、成長軌道に戻り、発展できる企業体質になっている。2年半前に林俊夫董事長が赴任し、正確な決断をしてきた。市政府は後ろ盾になって最大限の援助をする。林代表の元気を会社に注いでますます発展してほしい」と林代表を歓迎した。
中国に3年ぶりに訪れた91歳の林代表は、「市政府の皆さんの協力に感謝したい。宝山鋼鉄や太原鋼鉄と提携して鉄鋼材料の開発を進め、鏡板の国家規格がなかったので北京や上海の労働局と協議してJB規格(現GB規格)を作った。日本の技術を中国にすべて持ち込み、これまでやってきたことを評価してくれたことは本当にありがたい」と謝意を述べた。
日中の歴史に胸を痛め、中国に貢献したい思いから、林代表が1994年に宜興北海を設立し、12年まで董事長を務めてきた。今は林俊夫董事長が事業の拡大を図り、収益力を高めている。「14年に1000万元(約1億8000万円)以上の投資を実行し、実績をさらに増やすために15年に2000万元近い投資を実行する予定。今後もご支援をいただき、さらに飛躍していきたい」と林董事長は意気込みを伝えた。
式典では林代表が約300人の社員に向け、「一致団結して発展していくよう、皆さんの協力をお願いしたい」と呼びかけた。社内合唱団による歌と社員による龍の踊りが披露され、林代表は何度も笑みをみせながら、中国人社員の成長ぶりを見つめていた。
上海市内から北西に車で約2時間。石細工が盛んな宜興市万石鎮にある宜興北海は鋼板を半球状に加工し、圧力容器などタンクの両端に使用される鏡板の中国初のメーカーとして事業を広げてきた。宜興北海創業後に近隣に同業メーカーが次々と誕生し、宜興市は中国鏡板の郷と呼ばれるように。宜興北海は鏡板業界と地域の発展に寄与してきた功績が認められて13年に中国化工装備協会から品質貢献賞を受賞した。
宜興北海の現在の加工量は月間750㌧で14年通年では前年並みとなる見通し。国内市場は成長が鈍化し、受注競争が激しく、加工量が減る月もあるが、選別受注を徹底し、付加価値の高さを認めてくれる需要家との取引を続ける。インドやタイなど海外案件を受注し、新たな市場を開拓。新規にNC自動ガスプラズマ切断機やプラズマ溶接機を本年に導入し、来年には大型スピニング機と最新鋭全自動穴開け機を導入する計画。より付加価値の高い加工を可能にし、海外案件や国内の新たな販売先の獲得を目指している。
工場の内外装も一新した。内装を白色に塗り、視認性や作業の雰囲気を改善した。鋼板を切断した後の鉄スクラップを一括管理して再利用できるよう保管倉庫を設置し、大学との共同研究などを行う研究センターを置いた。事務所の内装も美麗にし、これからは敷地内の緑化に取り組む。「社員が働きやすい環境を常に整えていきたい」(林董事長)考えだ。
19周年式典の前日の16日に宜興市主催による毎年秋恒例の国際ビジネス商談会、15日に万石鎮による投資環境説明会に地元日系企業として唯一招かれた。林董事長は万石鎮の説明会の場で、「企業を活性化し、当地の産業に貢献できるよう積極的に投資をしたい」と語り、最後に宜興語で「イタコツマ・ハオ!(すべて非常に良し)」と場を沸かせ、地元政府関係者らと友好を深めた。
「日中関係はいろいろとあるが、地元に根付く日本の中小企業もあるのです」(林董事長)。中国で事業を長く継続するのに地元政府の協力は欠かせない。林董事長は万石鎮人民政府の投資顧問を務め、大学進学者への寄付など積極的に行い、地元との関係を大事にする。ビジネスにおいても日本から鋼材を輸入し、日本の鉄鋼業とウィンウィンの関係を築こうと意識する。宜興北海は中国で事業を営む日本企業の一つだが、20年近くに及ぶ深い地元政府との関係づくりは林代表の思いに始まり、これからも続いていく。【宜興市=植木美知也】
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